三千盛ができるまで
伝統的・体感的な酒造りの手法を受け継ぎながら
現在のからくち三千盛の基礎をつくりました先代の水野高吉のあとを引継ぎ、社長 水野鉄治以下従業員約20名が日々精進しております。 7~9月をのぞく9ヶ月間蔵を稼働させ、年間の石高は2000石程です。
伝統的・体感的な酒造りの手法を受け継ぎながら、より高品質かつ安定的にお酒が造れるよう努めております。
精米
酒蔵での仕事の第一歩は、入荷した玄米の精米作業から始まります。全ての製品が高精白のため、10月から4月まではたいへん忙しく24時間休みなく精米機が稼働し続けます。
原材料
原料米は時間を掛け徹底的に磨き上げます。その年の天候などで米の質も違うため、それぞれの米を吟味しながら無駄のないように進めていきます。 中心の40%を残し精米したお米は小さく白い輝きを持っています。
蒸米
からくちに向けての酒造りは、米に水を吸わせるところから始まります。 適度に吸水した米を、約50分かけて蒸し上げます。
麹用の米と掛米に分けて蒸し方もかえています。
麹米は中までふっくらとしながらも弾力があり、蒸しあがりの米を手で握ってもぱらぱらとほぐれ易くなければいけません。
掛米の蒸し方は麹と異なり硬めに仕上げます。 この出来を左右するのは絶妙の吸水時間です。
麹造り
蒸し上がった米に種の麹をふりかけ、麹菌を米粒に繁殖させます。蒸米の温度を30度以上に保ち、混ぜたときの感触でこれからの48時間の付き合い方を考えます。 温度を保ったまま10時間ほど寝かせたら、かたまりになった蒸米をほぐしていきます。
真夏のような高温多湿の中、これを手作業で行います。 出来上がった麹は手で握ったときに塊とならず、ぱらぱらとほぐれています。 食べてみれば程よい硬さがあり、ほくほくと柔らかな甘味を感じます。
もと(酒母)造り
麹と蒸し米に水を加えて混ぜ合わせ、2週間かけて必要な酵母の培養をします。大きな仕込桶で最初からやるのはちょっときついので、まずは小さいところから始めます。
文字通り「酒の母」、お酒の「もと」となる重要な工程です。
仕込み
出来上がった「もと」を大きなタンクに移し、麹・蒸米・仕込水を3回に分けて混ぜ合わせます。麹に含まれる酵素の働きで、米が溶け糖化します。 酵母はそれを栄養分として吸収しアルコールと炭酸ガスに分解します。 下からガスがわき上がり、元気よく発酵が盛んになります。このころが最も香りがでるのですが、からくちに仕上げていくためそのままの強い発酵状態を続けていきます。 この感じが続いていくのか、それとも途中で息切れてしまうのかとても心配なところです。
仕込んで約1ヶ月で「もろみ」の終了点にさしかかります。
搾り
目標の酒質までたどり着いたもろみは、すみやかに「ふなば」に移動して搾ることとなります。
垂れる新酒は透き通ってかがやき、袋にたまったもろみは米のつぶつぶが残っている良質の酒粕となります。
熟成
生の新酒をろ過した後65℃以上で「火入れ」作業を行い貯蔵庫のタンクもしくは瓶詰を行い貯蔵の過程に入ります。
三千盛では6ヶ月~1年程度の熟成期間を取り、お酒の味が落ち着いてから出荷しています。

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